「投げ銭的ワーキングスタイル」

ふとひらめいたのは、とあるライブツアーが終わったときのこと。
ライブで演奏してたミュージシャンのかたが、
投げ銭スタイルをいやがらず、むしろ好きだ、と言ってくれた。

投げ銭とは、つまりご祝儀、おひねり。
披露された芸能、芸術に対して、見たひとが評価して
対価を差し出す、そういうシステムですね。

つまり、雑に言っちゃえば不安定収入。
チケット制にしたら、人数分×チケット代が必ず入るのに、
投げ銭は、ひとりいくらくれるか分からないうえに、
ゼロのひとだっているはず。

そのうえで、「このやりかたが好き」というこころ。
そこで、つながるものがありました。


ふと、とある別のミュージシャンが
インターネットで音楽ダウンロード販売をしたとき、
CDのなかみをなんと全部動画で流して、その最後に
購入ボタンをつけたという話を思い出した。
全部きけてるのだから、買わずに帰ることだってできる。
でも、たくさんの人が購入していったのだそう。それも、かなり。

……全部聞いて気に入った、というのがもちろん大きいだろう。
でもそれ以上に、このやりかたで、
「売り手」「買い手」の関係が、とてもいい感じになっている気がしました。

このやりかたで伝わってくる、「売り手」側のこころは、

・いいものだという自信があります
・押し売りする気はありません
・ジャケットや代表曲でごまかしたりする気はありません
・買ったことを後悔させません
・よくないものだった場合、負担を負うのはこちらです

……などという、いい意味で「商売っけのなさ」の部分。

・買い手のこころを開く。
・邪推が不要になる。
・作品に集中できる。

そして、作り手としても
(売り手と作り手が同一のケースもおおいけど)

・ほんとうにいいものじゃなきゃダメ
・表面だけのものは出せない
・できあがったモノ自体を見て評価される

……という、いい気合いの入ることではないか。


つまり、これは、売り手、買い手、そして
売買される「作品」(作り手の心)の
三者とともに、しあわせになることではないか。

音楽だけじゃなくて、
「作品」といえるすべてのもので
この形ができたら、そしてうまく回ればしあわせだな。
そう思いました。


現在、試行錯誤しながら、いい方法を模索しながらですが、
とりあえず、自分のフィールド「図画工作(デザイン、小物製作)」にて
試験運用してみているところです。

やっているうちに、いい形ができあがってきたら
それを基準に、いろいろ広げたりまとめたりしたいなあと思います。


contents

「流れ」……どういう形ですすめるか

「構造」……しくみ紹介

「その他」……協同通貨と併用の案。


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